日本の精神文化についてお話を致しております「日本に息づく心配り〜Les point de vue de Les Misera〜」の浅海です。
今日、パンを買いに行った時の出来事。
レジで対応をいただいていると、隣のレジにも女性が。
すると・・・
店員さん「あんぱん焼きたてなので、袋を別にして大丈夫ですか?」
お客さん「大丈夫です」
店員さん「・・・...?」
お客さん(店員さんの“?”に気がつかず)
店員さん「...別にお入れしちゃいますね...」
あ``ーありがち~~~(^^;)
この場合、店員さんの大丈夫ですか?が、“よろしいですか?”や“問題ございませんか?”といった意味で用いられたことは明白ですが、一方でお客さんの大丈夫ですは、結構です同様、“良いです・お願いします”という肯定の意味と、“不要です・気にしないでください”という拒否の意味、真逆の2パターンの意味を持つ回答です。
実はコーチングという対話コミュニケーション技法の一つに“傾聴”という技法があり、この、同じ言葉を繰り返して答える所謂“オウム返しで答えること”はそのスキルのひとつでもあります。
よって、このお客さんの答え方はコミュニケーションの円滑化においては決して悪い癖ではないのですが、大丈夫という言葉は時として非常に曖昧な表現を持ちますので、注意が必要です。
この場合には「はい、お願いします」「同じ袋で結構です」のような言葉に言い換えをすると、より円滑なコミュニケーションが図れますよね(^^)
但し
もちろん、この一件は一方(お客さん)だけに非があるものではありません。
お客さんは年配の方でした。
話しかけられても、どちらかというと何を言われたかを理解されている様子ではなく、それよりもお財布からお金を出すことに一生懸命。
そのようなお客様の場合には「袋を別にしてよろしいですか?」のように、質問側もより具体的な言葉に言い換えるとGOOD。
心配りある対応も更に際立ちます
思いやりや心配りは双方、みんなで行うもの。
心配りは言葉の選び方ひとつで表現できます。
選ばれ発せられた言葉で、その人の心配りや思いやりの心の深さを知ることができます。
お手紙やメールのように活字になるときには尚更です。
豊かな表現を持つ日本語。
日本人だからこそ、その微妙な表現を上手く使いこなしたいものですね。